【目標】
●炎色反応について元素と色の組み合わせをマスターする!
●各元素の検出方法を知る
元素の検出とは
物質の中には元素が含まれており、その元素に特有な反応や性質が現れることがある。色の変化などの人間の目でわかる反応であれば、簡便にその元素が含有していることが特定できる。今回は大きく2つの検出反応を学ぼう
①炎色反応
②沈殿反応
③水素原子(水)の検出
①炎色反応
特定の元素を含む化合物を炎の中に入れるとその元素に特有の炎の色を示す反応のことを炎色反応という。なぜ特有の色を示すのか理由を知るためには、光の知識と電子配置とエネルギーの知識が必要である。こちらは別の記事で解説したい。
【実験装置】
白金線:検出したい元素を含む溶液を先につけるための道具。白金Ptは酸化しない、反応が起こりにくい物質であるため採用される。
ガスバーナー:炎を出すための道具。通常は加熱等に用いられる。

【元素別の炎色反応の色をおさえる】

【ゴロ】元素と炎色反応の色を覚えよう!

元素が様々な色に光ることを利用したものが花火である。
ただし、デートで花火を見て「炎色反応だ!」というのは冷める確率大なので控えておこう。

②沈殿反応
あるものを混ぜたときに沈殿が起こることがある。そのとき、もとの溶液に○○が含まれていることが分かるものがある。ここでは(1)塩素Clの検出と(2)炭素C(二酸化炭素CO2)の検出の2種をおさえよう。
(1)塩素Clの検出
塩化物イオンCl-存在下の水溶液に硝酸銀AgNO3水溶液を加えると、塩化銀AgClの白色沈殿が生じる。
(例)食塩NaCl水に硝酸銀水溶液を加える

(2)炭素C(二酸化炭素CO2)の検出
何かの反応で出てきた気体の二酸化炭素CO2を石灰水である水酸化カルシウムCa(OH)2水溶液に通じると、炭酸カルシウムCaCO3の白色沈殿が生じる。
(例)

※沈殿反応は水溶液中で何が起こっているのかを正確にとらえてほしい。詳細は「イオンを含む化学反応式」の記事で説明したい。
③水素原子(水)の検出
反応後水が発生することがよくある。発生した液体が水か否かを確認するため、水の検出法がある。2つおさえておこう。
(1)硫酸銅(II)無水塩CuSO4(白色)を水と反応させる⇒青色の硫酸銅五水和物CuSO4・5H2Oが発生する。色の変化で水の存在を確認
(2)塩化コバルト紙(青色)を水と反応させる⇒赤色に紙が変わる。色の変化で水の存在を確認